中庭(パティオ)は「場所」ではなく「考え方」
リヤドホテルの中庭に惹かれる理由を考えてみました。
本質に近いのは、
暮らしの中心が“外”ではなく“内”に置かれていること。
リヤドホテルの空間を見ていると、
景色を楽しむために窓がある、というよりも、
自分たちの時間を穏やかに保つために、
空間が内側へと閉じられているように感じます。
つまり中庭とは、
家の中に“心が戻ってくる場所”を用意するという考え方
なのかもしれません。
リヤドの中庭が果たしている役割
中庭は、装飾のための存在でだけでなく、
リヤドでは、暮らしのリズムを整える装置として
空間の中に組み込まれているように思います。
- 光が柔らかく取り込まれている
- 水や植物によって、空気を整える
- 寛げる家具が配置されている
これらはすべて、
「視覚だけでなく、感覚で快適さを創る」ために工夫されているものと思います。
「植物と水で空気を整える」とはどういうこと?
植物と水があると、
部屋の“見た目”が良くなる、と思われがちです。
けれどリヤドでは、
それ以上の役割を担っているように見えます。
- 葉が光を受け、やわらかな影をつくる
- 水音が、周囲の雑音をやさしくぼかす
- 視線が一点に集中せず、自然に散っていく
こうした要素が重なることで、
人は無意識のうちに呼吸が深くなる。
それが、
「空気が整う」と感じる理由なのだと思います。
自宅で再現するなら「中心をつくろうとしない」
ここでよくあるのが、
「中庭=真ん中に何かを置く」と考えてしまうこと。
けれど、日本の住宅では、
- 中央にラグを敷くと動線が窮屈になる
- 家具はどうしても壁に寄せる必要がある
という現実もあります。
だから無理に
「中央」をつくろうとしなくて大丈夫です。
リヤド的な“内側”は、視線でつくれる
リヤドの空間で印象的なのは、
視線が、中心から周囲に広がるように
静かに導かれていくこと。
それは必ずしも、
部屋の真ん中である必要はありません。
例えば:
- 部屋に入ったとき、最初に目に入る場所
- ソファに座ったとき、自然と落ち着く先
- 何も考えずに視線が止まる壁やコーナー
そこが、
あなたの家の「中庭」になるかもしれません。
まず意識したいのは、この3つだけ
リヤドホテル風インテリアを考えるとき、
最初から形を真似る必要はありません。
まずは、
- 視線が落ち着く場所をひとつつくる
- 光や音を強くしすぎない
- そこに植物や陰影を添える
それだけで、
空間の空気は静かに変わっていきます。
第1回のまとめ|「再現」より「翻訳」
リヤドホテル風インテリアは、
そのまま持ち込むものではなく、
自分の暮らしに翻訳するもの。
中庭は場所ではなく、考え方。
その視点を持つことを、
この連載の出発点にしたいと思います。

